丹絵ごのみ・麗子 Reiko by Simple Woodcut
- 作者名 Artist
- 岸田 劉生 KISHIDA Ryusei 明治24 - 昭和4 1891 - 1929
- 技法・材質 Medium
- 木版・紙 woodcut on paper
- 寸法(cm) Dimensions
- 39 × 24.6
- 備考 Notes
- 1988年高見沢版
- 作品番号 Collection No.
- JPr-1999002(株)寿ビル寄贈
日本の近代美術を代表する画家、岸田劉生は、画業を通じて愛娘の麗子の姿を繰り返し描きました。その結果、麗子は当時の日本で最も有名な少女と呼ばれるほどよく知られることとなります。
劉生は西洋画の受容から出発し、1919(大正8)年頃から次第に東洋美術に傾倒していくのですが、この作品は明らかに画業後半期の日本美術の技法を用いています。この作品が初期浮世絵の「丹絵」として制作されているからです。丹絵とは、墨一色で刷った墨摺絵に、主に丹という朱色の絵具を用いて手彩色した浮世絵のことです。劉生が丹絵を所持していたことは日記からわかっており、それらの作品も参考にしたのでしょう。
劉生は作品に手ごたえを感じていたのでしょうか。麗子の横には「む(武)かしをしのひ(飛)/たん画このみ/れい(以)このしやうそう/大でけ大でけ」と書かれており、劉生の喜びがにじみ出ているようです。